40代で臓器を摘出するということ
僕は胆嚢(たんのう)が無い。
何か洒落た一遍の詩のようなフレーズだが、
ただ単にないのだ。レトリックでもなんでもない。
2年前の夏に摘出したのだ。
合コンで盛り上がらない会話って・・・
あなたは胆嚢(たんのう)の無い男をどう思うだろうか?
例えばあなたが独身の女性だったとしよう。
そう、今日は広告代理店のメンズとの合コンなのだ。
その場で初対面の男子にこう話しかけられたら。。。。
僕、胆嚢ないんだよね??
あなたはきっとこう思うだろう。
別にどうでもよくね???
そう、胆嚢(たんのう)とは微妙な器官なんである。
特に女性受けするわけでも、上司の評価が高い内臓器官でもないのである。
合コンには不向きな内臓器官ともいえる。
入院&摘出手術。そして退院。。。。
そう、あれは2年前のひどく暑い夏の日だった。
精密検査で僕の胆嚢(たんのう)にポリープが見つかった。
悪性ポリープの可能性を鑑み、僕は摘出をお願いした。
僕はずっと「胆嚢のなかのポリープを取る手術」って認識してたんだ。。。。。
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手術の前日、手術前検診で先生が最後の質問をした。
「最後に何か質問はありますか?」
僕は思い切って聞いてみたんだ。
あの・・・
この手術って・・・
胆嚢の中のポリープを摘出するんでですか???
胆嚢そのものを摘出するんですか???
先生がモテないオッサンにくだした診断とは?
先生は自信満々に答えた。(そりゃ、そーだが。。。)
もちろん、胆嚢を摘出するんだよ!!
合掌!!!
・・・という顛末で僕は胆嚢を摘出したんだけど、
日常生活で大いに困ってることがあるんだよね。
それは「何ら不具合が無い!」ってこと。
だから会話のネタとしても大いに僕を困らせてくれる奴なんだ。
だって、何らかの機能や身体的な役割があるから
胆嚢ってあるんでしょ。
でも、退院前検査で先生は僕に言ったんだ。
「日常生活や食生活で気を付けることは・・・
特に何も無いです!!!」
人生の喪失感とは
こうして女子受けも上司受けも悪い“胆嚢(たんのう)”って器官は
僕の身体から消えていった。
物事って何でも無くしてからその存在の大切さに気づくものだよね。
でも、胆嚢にはそういった喪失感が全くないんだ。
でも僕はそんな「胆嚢(たんのう)」って嫌いじゃない。
そういう地味で目立たない存在も含めての身体だし
地味な役割の集積が社会、僕たちの生活する世界だし、
だれもが「話題の起業家」や「有名芸能人」になれる訳じゃない。
胆嚢のような僕のゴールデンウィークももうちょっとで終わろうとしている。
僕はどこかをさまよってる僕の摘出された内臓器官に言うんだ。
おやすみ、胆嚢(with ハート)!!!
・・・な訳ねーだろ!!
ガチでおやすみなさい!!!!!!!
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