これまでのストーリー
誰にも読まれることもなく、
続編を期待されていない物語がある。
それはマイクのないカラオケ店のようなもの。
それって風呂で謳えばいいじゃん???
突然、僕は「ある男」の脅迫により
麦男(むぎおとこ)を探すことになった第1話。
第2話では「麦沢翼」なる謎の秒速男まで
乱入しだしたんだっけ。
ロータリーに特化したオークションとは
「ロータリーに特化したオークションをつくるんです。」と
麦沢翼は言った。
「これからはプラットフォーマーの時代ですよ。
プラットフォーマーが時代の覇者となり、全ての富を独占するんです」と。
麦男には全く理解できなかった。
プラットフォーマーとトランスフォーマーはどっちが偉いんだ。。。
麦沢翼の饒舌は止まらない。
「そしてセルフプロデュースするんです。
例えば“秒速で麦を刈る男”とか」。
「・・・とか」って何だよ???
麦男は舌打ちしながらも声には出さなかった。
なぜなら麦沢翼が牛丼を食べていたからだ。 深夜なのに!
「そして、いかにロータリー・オークションが
楽で美味しいビジネスかを吹聴するんです。
あなたは、その追随者の上前をはねればいいのですよ。」
時は流れ・・・・
「ロータリー・オークション!」はついにサイトオープンを迎えた。
ただし、ただの一人も出品者も落札者も現れなかった。
ただの一人も。
麦沢翼は涼しい顔をしていった。
「大丈夫です。◎◎ブログで芸能人のステマ記事とかすればいいから」。
「・・・とか」って何だよ???
麦男は舌打ちしながらも声には出さなかった。
なぜなら麦沢翼が牛丼をまた食べていたからだ。
牛丼店もワンオペで大変なのに迷惑な男だ。
やれやれ。。。。
結局、麦男はステマ代行料金を追加で支払った。
振り返れば・・・・
ロータリー誤発注の損失。
そしてオークションサイトの構築費およびサーバー代。
SEO対策の名目で請求された広告費。
そして◎◎ブログのステマ代行料金。。。。。。
麦地獄だ。。。。
そう。麦男の世界に「蟻地獄」という言葉はなかったのだ。
それこそ「サンクコスト」という概念だ。
人と麦は失った損失の痛みに耐えられず、
ついつい追加コストを受容してしまう弱い生物(植物)なんだよ。
その時、麦沢翼が最後の提案をした。
「実は麦天なる仮想通貨があってね・・・」
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第3話に続く
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