民主主義から「キモい!」主義への移行
日本は民主主義のはずだ。
でも日本は「キモい!」主義へ移行中だ。
先日、うちの子(8歳)の友達どもが
うちの「お泊り会」にやってきた。
総勢4名の女子会が開催されたんだ。
僕は彼女たちに聞いてみた。
『クラスで好きな男子、教えろよ!』
■女子A
『カッコいい男なんて全然いないよ!』
■女子B
『キモい男子なら沢山いるけど!!』
そこからは魔女狩りのように
キモい男子の洗い出しが始まった。
キモい男子ならいくらでもいるようだ。
■女子C
『◎君の△△なとこがキモイ!!』
■女子全員
『分るー!!キモーい!!』
→ここから無限ループ
「キモい」「キモクない」こそが
彼女たちの大事な価値基準なんだ。
「キモチワルイ」=「モテない」なんだね。
僕はこの風景を眺めながら
一冊の書籍を思い出した。
『すべてはモテるためである』。
この本は現代の奇書だ!
この本は恋愛本だ。
ただ、ここにはモテるための
テクニックは全く書かれていない。
ここに書かれているのは・・・
徹底的に自分に向き合うことだ。
まるで禅問答のように。
なぜあなたはモテたいのか?
その理由を徹底的に掘り下げることを
著者である二村ヒトシ氏は求めてくる。
本書のキーワードは「キモチワルイ」。
あなたはなぜモテないのか?
ずばり、それはあなたが
キモチワルイからである。
モテるための対策として読んでるのに、
いきなり核爆弾が投下される本書!
◎自意識過剰だからモテない。
◎あなたが彼女にモテないのは、あなたが「彼女にとってキモチワルイ人」だからである。なぜ「あなたが彼女にキモチワルがられるのか」というと、ひとつは「あなたが彼女に対して自意識過剰の状態におちいっている」ため。
冒頭からバッサリである。
本書のテーマは、いかに・・・
「自意識過剰のナルシスト」にならずに、
「自己受容」ができるかに尽きる。
“自己受容”とは「自分を受け入れて
愛してあげる」ことを差す。
ナルシズムは、自分が好きだが
自分を愛していないことを差す。
うーん。。。
頭では理解できるが
実際はこれ難しい。。。。。
◎モテない人生よりも、モテてる人生のほうが、なんとなく楽しそうだからか?
◎実際に誰か知りあいで「よくモテている男」がいて、そいつが、いつも、いかにも楽しそうに幸せそうにしているからか?
◎その「モテている男」は、モテていても別に楽しそうではないけれど、それでも「あなたの、モテてない人生」よりは、なんとなくマシなように(あなたには)思えるからか?
そして読者である僕が
「なぜキモいのか?」を徹底的に説教される。。。
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自己愛から自己肯定への道しるべ。
その答えへのヒントも書かれている。
またキモチワルイ男の類型化も秀逸。
やってることがキモチワルいのに、自分が「キモチワルいと思われてるかも」と疑ったことのない奴が【かんちがいしているバカ】で、モテません。
「たしかに私はキモチワルいかもしれないが、しかしそんなこと、いくら悩んでもムダだ」と考えついて、悩むのをやめ、同時に、なるべく他人からキモチワルがられないよう、できるかぎりの配慮をしている人が「かしこい人」です。モテます。
やはり奇書である。
同様のアプローチの本では
高石宏輔氏の「ラポールと身体知」がある。
僕のなかでも最近読んだ本で一番の内容だった。
高石氏の書籍では
内省のためには自らの身体に着目せよと説く。
片や、内面の意識を
どこまでも掘り下げるアプローチの
二村ヒトシ氏。
類似していながら
メソッドは対極なのが興味深い。
自分を観察すること。
意識を内側に向けること。
他者を観察すること。
決して術に溺れないこと。
お互いの動きのズレに繊細になること。
意識を内側と外側にバランスよく向けること。
本書と恋愛工学との対比が面白い!
テクニックは全く語らない本書。
片や、テクニックに科学としての
法則性を見いだす「恋愛工学」。
モテ=(試行回数)×(ヒットレシオ)
一例だがこの公式は衝撃だった。
シンプルながら全てを語っている。
僕も恋愛工学の実習生として
日々、格闘の毎日である。
対極の思想だが、
どちらも必読の書といえる。
そして宮台真司的なフレームワークで
その世界観の違いを説明する田端さん。
「意味と強度」の違い。
思想論で言う「意味」を求めるのが、二村さん。「強度」を求めるのが藤澤さん。これもう、根本的なスタンスの違いなので、どっちがいいも悪いも、上も下もない。意味と強度についての説明はリンク先でも御覧ください。宮台フォロワーには必須の語彙。http://t.co/7fCfEveqKD
— 田端 信太郎 (@tabbata) 2015, 6月 24
恋愛工学で
“術”に溺れそうになった時には本書。
本書で内省化しすぎた時には「恋愛工学」。
アプローチの違いなんだよね。
まずは精巧に成功することから
自己受容が始まる「恋愛工学」。
自己受容をしっかりしてから
異性に接することを推奨する本書。
さあ、明日から僕も
自分の“キモさ”を卑下せず、
自己受容して生きていこう。
追記:男も大変だけど女性も大変だ!
男が自己受容するのも大変だけど、
女性の自己受容も難しい。
本書と対になる二村氏の書籍。
『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか
この本の書評はこちらから。

オトコのカラダはキモチいい<オトコのカラダはキモチいい> (ダ・ヴィンチブックス)
- 作者: 二村ヒトシ,岡田育,金田淳子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2015/02/27
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